ウインドミルは「いつ打てばいい」のか?

ウインドミルとは縦のスイングの総称
ウインドミルとは、フォアハンドストロークで縦のスイングのことを指します。
ウインドミルを知らなかったという方も、実は追い込まれたりした状況では自然と使っています。
無意識にしていることを意識的に行うので、最初のうちは動きのぎこちなさがありますが、繰り返すことでタイミングの撮り方や打点、動きが良くなっていきます。
①「打点C」打点が低い時
膝の高さを「打点C」と呼びます。(呼ぶことにします。)
打点Cのように低い打点では、ネットを越えるためにボールを持ち上げたいです。
ですので、横のスイングとなるベーシックスイングより、ウインドミルの方が持ち上げやすいので、低い打点の時はウインドミルを選択します。
②「打点A」打点が高い時
高い打点「打点A」でもウインドミルを選択します。
打点Aでもそれ以上に高すぎる打点でも、スイングスピードを犠牲にせずにトップスピンを打つことが可能です。
スイングスピードが速いと初速が速いショットを打てるだけでなく、相手にどこに打つのかを分からなくすることもできます。
※隠すことができます
③「打点B」いつでも
腰の高さの「打点B」でもウインドミルを使います。
つまりウインドミルはいつでも使えるということです。
打点Bではバランスが良い時が多いと思いますが、バランスがいいからといってベーシックスイングで打たなければならないわけではありません。
⑨、⑩にも関わってきますが、ウインドミルはオフェンスにもディフェンスにも使える便利なスイングです。
攻防一体のショットを打つこともできます。
④打点が遠い時
これが1番無意識に使っている方が多いシチュエーションです。
コートの外に追い出されたり、フルストレッチしてトップスピンを打ちたい時などはなんとかボールを持ち上げたいので、ウインドミルを知らなかったという方でも無意識のうちにウインドミルを選択している方が多いです。
縦のスイングなので、横のスイングであるベーシックスイングよりも持ち上げやすいですね。
⑤打点が近い時
常に最適な距離を保てるわけではありません。
ボディにサーブを打たれた時などは、スイングできなくなってしまう時がありますよね。
そういう時でも縦のスイングであるウインドミルを選択することができれば、なんとかスイングスピードを犠牲にせずに打つことができます。
緊急事態でも使えるのがウインドミルのいい点ですね。
⑥いつでも
距離が遠くても近くても、また、ボールと最適な距離を取れている場合でもウインドミルを使います。
⑨、⑩にも関係してきますが、スイングスピードを犠牲にすることなくボールのスピードを落とすことができるのがウインドミルの利点の1つです。
⑦ポジションを下げた時
ポジションを下げた時も、ウインドミルを使うシチュエーションです。
後ろに下げられているので、ディフェンスのシチュエーションになることが多いので、より重いショットが打てた方がいいですし、飛距離を稼ぐためには軌道の高いショットが打てた方がいいです。
ベーシックスイングよりもウインドミルの方が軌道の高さを出すことができますし、ウインドミルの方がより重いショットを打ちやすいので、後ろに下がった時はウインドミルを選択します。
⑧ポジションを上げた時
ポジションを上げて、打点がネットよりも高ければラットショットを選択することができますが、打点が低い場合はウインドミルを選択します。
特にクロスに打つ場合は、ベーシックスイングに比べてより外に逃がすことができるので、結果的にウィナーになりやすいです。
また、ポジションを上げているので距離が短い中で打たなければいけません。
スイングスピードを犠牲にしてベーシックスイングで打つと効果的なショットを打つことは難しいので、スイングスピードを犠牲せずに打てるウインドミルを使うことができれば一石二鳥ですね。
⑨相手にミスさせたい時
自分が得点するためにパーフェクトなショットを毎回打つ必要はありません。
相手にミスをさせても同じ1点です。得点するためにエースだけに固執してしまうと、エースの数よりもエラーの数の方が多くなってしまいます。
負けている状況で果敢にエースを狙うのは勇敢というよりも無茶です。一撃必殺一発逆転のカウンターショットが決まっても同じ1点です。
自分はコートの内側でミスをしないコースに、ウインドミルで変化を入れます。
相手はこちらがウインドミルを打っていることに気づいていないと、「なんで打ちづらいんだろう?」と思うことでしょう。
⑩ミスしたくない時
試合の最初の数ゲーム、試合が進んで接戦になればなるほど、ミスしてポイントを失うことが恐ろしくなりますよね。
ミスを恐れてラケットが振れなくなって、段々と積極性がなくなっていくという経験があるという方は多いと思います。
そんな時もウインドミルを選択します。
横のスイングであるベーシックスイングは効率的にボールに力を伝えることに長けていますので、やはりボールは飛びやすいです。
緊張した場面で飛んでしまうボールをコートに納めるのは簡単ではないですよね。
その点ウインドミルは厚みを変えることでボールが飛ばないようにすることも簡単にできるようになります。
いわゆる厚みの調整だけでボールの飛び具合を変えることができますので、スイングスピードを犠牲にせずにボールをコートの中に納めることができます。
ではウインドミルをどこに打てばいいの?
次回はそのウインドミルを戦術的な観点からどこに打てばいいのか?について解説していきます。
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